脳ドックとは、症状が現れていない方を対象に、脳や脳の血管の状態を詳しく検査し、脳の病気や危険因子を早期に発見することを目的としたものです。
脳の病気は、それまで自覚症状がなかったにもかかわらず、突然発症して生命を奪ったり、言語障害や手足の麻痺などの重い後遺症を残したりすることが少なくありません。そこで、危険因子をできるだけ早期に発見することが大変重要なことなのです。
脳ドックで行う検査(MRI・MRA)は、脳の病気や危険因子の発見に非常に優れた検査です。
脳の状態が心配な方(特に高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病がある方や脳卒中の家族歴、肥満、喫煙習慣がある方)は、脳ドックを受けることをおすすめします。
また、もの忘れや認知症が気になる方には、もの忘れドックがおすすめです。
- 脳梗塞
- 脳の血管がつまることにより、脳細胞が壊死した状態を脳梗塞といいます。脳や頸部の血管に細い部分があったり、心臓や血液の異常によって引き起こされます。
自覚症状がない場合でも、MRIで脳梗塞が発見されることがあります。無症候性脳梗塞(症状がない脳梗塞)がある人は将来脳卒中を発症する可能性が高いと言われています。
- 脳動脈瘤
- くも膜下出血は、脳卒中の中で突然死が最も多く、重篤な後遺症を残すことが多い病気です。くも膜下出血の原因はほとんどが脳動脈瘤(脳血管のこぶ)の破裂によるものです。
MRA(血管撮影)により破裂前に脳動脈瘤の発見することができ、くも膜下出血の予防治療が可能になります。
- 脳出血
- 最新の高性能MRIでは過去におこった非常に小さな脳出血も発見が可能です。
無症候性の小さな脳梗塞と脳出血をMRIで区別することにより、適切な治療を行うことができます。
- 主幹動脈狭窄症および閉塞症
- MRA(血管撮影)により頭部や頚部の血管が細くなっていたり、つまっているのが発見できます。
適切な治療により大きな脳梗塞を予防することが可能となります。
- 脳腫瘍
- まだ症状のあらわれていない小さな脳腫瘍の発見が可能です。
早期発見・早期治療が何よりも大切です。
- 認知症
- アルツハイマー型認知症は現在の医学では完治が見込めず、一旦発症してしまうと病状は進行してしまいます。
最近では進行を遅らせることができるようになっていますが、発見が早いほどその可能性が高くなります。
また、その他の治すことができる認知症かどうかを診断することも重要です。
検査の結果、異常がないことが確認できれば、安心して毎日を過ごすことが出来るようになります。
お気軽にご相談下さい。
- 短時間でMRI検査だけを受けたい方におすすめのコースです。
- 日本脳ドック学会推奨に準じたコースです。
脳の健康状態と動脈硬化の状態を評価します。
- もの忘れが気になるという方におすすめのコースです。
認知症スクリーニングテストやMRI検査を行います。早期アルツハイマー型痴呆診断支援システムを用い、認知症なのかどうかを診断します。
※物忘れドックは、オプション検査です。
項目 | 簡易脳ドック | 脳ドック | |
検査内容 | 問診 | ○ | ○ |
頭部MRI検査 | ○ | ○ | |
頭部MRA検査 | ○ | ○ | |
頸部MRA検査 | ○ | ○ | |
身体測定 (身長・体重測定・BMI・腹囲測定) |
× | ○ | |
血液検査(※3) (一般末梢血検査・血液生化学検査) |
× | ○ | |
心電図検査 | × | ○ | |
血圧脈波検査 (動脈硬化・血管年齢検査) |
× | ○ | |
診察・結果説明 | ○ | ○ | |
時間 | 約2時間 | 約3時間 | |
料金 | お問い合わせください (※1) |
(※1)
脳ドックは、症状のない方に健康診断として受けていただく検査のため、自費診療(保険外診療)になります。
頭痛などの気になる症状がある方は、保険を使って検査が受けられます。
ご不明な点、またご質問などございましたら、お気軽にお問い合わせください。
項目 | もの忘れドック |
対象年齢 | 50歳以上 (※2) |
検査内容 | 認知症診断テスト |
早期アルツハイマー型認知症検査 (VSRAD) |
|
時間 | 約1時間 |
料金 | お問い合わせください (※1) |
(※2)
50歳未満の方は、正しく計測できないことがあるため対象外となります。
頭部MRI検査
MRIは強力な磁場を用いて体内の画像を撮影する装置です。
放射線を使用しないので、被ばくの心配がありません。
様々な角度で脳を輪切りでき、脳梗塞や脳腫瘍などの脳の病気を早期発見できます。
当クリニックのMRI装置は、1.5テスラの高磁場装置であるため、より短時間で高精細な画像を得ることが可能です。
頭部・頚部MRA検査
MRIと同じく、強力な磁場を用いて、血管だけを詳しく画像化する検査です。
MRIと同じ機械を使うので、MRIに続いてMRA検査を行うことができます。
くも膜下出血の原因となる脳動脈瘤を発見したり、血管の狭窄、閉塞、脳動脈硬化の進み具合などを調べることができます。
早期アルツハイマー型認知症検査(VSRAD)
VSRADでは、MRI画像を利用し、海馬傍回(記憶に関わる部位)の萎縮度を数値化し正常脳と比較します。これにより、早期にアルツハイマー型認知症の診断が可能となる場合があります。
アルツハイマー型認知症は、早期発見および治療によって症状が改善され、全体的な進行を遅らせることも可能になってきました。最近ちょっとしたもの物忘れが気になるという方は、お気軽にご相談下さい。
血圧脈波検査(動脈硬化・血管年齢検査)
心臓の拍動による血管の振動(脈波)の伝わる速度を測定して、血管の硬さ、血管のつまり具合、血管年齢を調べることができます。
あお向けに寝た状態で両腕・両足首の血圧と脈波を測定します。血圧測定と同じ感覚でできる簡単な検査です。